ZR’s Log

Twitterで書くには長過ぎる話を置いておく場所。TrySailからクウガやゲームまで、思いついた事をメモのように書き連ねていきます。

夏恒例の映画を見てきた

 毎年恒例行事、戦隊とライダーの映画を見てきたので、その感想を簡単に。

 映画が始まる前に戦隊40作とライダー45周年を記念した映像が。ナレーション的に、円盤化の際は戦隊側に収録されそう。

 ジュウオウジャー、実はまともに見ていない(話の流れは知ってる)ので、そんなに期待していなかった。まず言えるのは、とても観やすい映像だったということ。これは、柴﨑監督だったからというのが大きい。激しめのアクションでもちゃんと捉えられているので、何が起こっているのかよくわかる。あと、生身イーグライザーとかよかった。歴代からのゲストはほとんど気付けず。冒頭の戦闘には驚いた。積んだだけ。

 

 ゴーストは毎週ちゃんと見ているのだけど、事前情報からまた消えて復活するのか、ということで期待値がものすごく低め。ゼロスペクター、というか大悟あたりがどういう扱いになるのか気になる程度だった。

 見終わってまず思ったのは尺の短さ。というのも、タケルとアカリ、マコトと大悟、アランとアルゴス、という3つの関係性を60分強で描くから。1つに対して1話分の尺も使えないので、全体的に消化不良気味。タケルとアカリはメインなだけあってちゃんと描かれていたのだけど。

 ではここから、本編の流れに沿って感想を。

 冒頭はテレビで放送された1分ストーリーに繋がるような描写。まずはカノンの誕生日パーティーから。ゴーストであるタケルは食事ができない。タケルとアカリは、生き返って一緒にごはんを食べよう、と約束を交わす。これが重要な台詞だとは思っていなかった。眼魂島からダークネクロム3人衆が地球にやって来る。ここでのアクションで特筆すべきはバイク。久々に登場のマシンフーディー、そしてなんと、マシンゴーストライカーが変化前の普通のバイクの姿で登場。2台はダークネクロムの乗るイグアナとチェイスを繰り広げる。ネクロムにバイクはない。流れるようなフーディーニへの変身が見所。しかし、ダークゴーストが現れたこともあって3人とも敗れる。タケルがダークゴーストを見て、「俺に似てる…」みたいな事を言っているのが、遊戯王ARC-Vの遊矢シリーズを思い出してしまった。あれよりはまだ似てるか…

 眼魂島にやってきたタケルは武蔵の家にかくまわれていた。武蔵はタケルのことを覚えていない。村から出ていた間の記憶がないらしい。ここで気になるのは、村から出ていた間、というのがアイコンになっていた間、なのかということ。とするとアイコンになってテレビ本編に出てきている15人の偉人は全員英雄の村からやってきたということになる。結構重要な部分である。何故英雄の魂をアイコンに込めることができるのか(英雄の魂はどこから来たのか)が明確になった。

 英雄の村。ここに居るのは全員英雄らしい。英雄の集会所みたいなのがある。音楽関係の偉人がゴーストOPを歌っているシーンで、考えるのはやめた。

 マコトは一人とある場所で倒れていた。アギトオマージュかな…? アランやアカリたちは砂漠に。弁慶の罠にかかり、例の集会所に連れてこられる。力づくで、と戦いだしてしまうアラン。さすがにタケルが割って入る。

 マコトはダーウィンと邂逅。そして、父、大悟と再会を果たす。大悟が子どもだった自分たちを残して去っていったことに怒っていたマコトは、「こいつは父親なんかじゃない」と言い放つ。BGMも相まって、本編初期のマコトが帰ってきた感じ。

 ダークネクロム3人衆が英雄の村を襲撃。英雄達をアイコンにしながら、なんとゴーストチェンジ。ダークゴーストも現れ、ナポレオン魂となってゴースト闘魂ブースト魂を追いつめる。英雄はほとんど倒され、村も壊滅状態。ダークゴーストはアランの前で変身を解き、アランを自分たちの仲間に誘う。ダーウィンがいなかったことでカノンを人質にされた為、アランはアルゴスについていく。ここでカノンを助ける為についていく、という描写があったのは良かった。

 アカリがマコトにカノンのことを伝える。カノンを助けたいマコトはダーウィンを渡せと大悟に迫るが、大悟はこれを拒み対決。先にマコトが変身するのだが、大悟がライダーであることを知らないので、変身してでもアイコンを奪いにいくのは恐ろしさすら感じる。大悟、ゼロスペクターへ変身。3本角かっこいい。ゼロスペクター優位だったが、ディープスペクターで逆転、ダーウィンアイコンはマコトの手に。梯子を昇っていくディープスペクターの絵面がシュール。ゲキコウスペクターで飛べばいいのでは? ところで大悟はディープスペクターアイコンを知っている様子。何者なんだ…?

 ダークゴーストの塔へ向かうタケルたちにアカリと大悟が合流。どうやらタケルと大悟に面識はあった模様。アルゴスはタケルと同様死んだ後蘇りたかったようで仙人からゴーストドライバーを与えられた。確かに立場は同じだった。しかしグレートアイの力を発動させる為に利用されていたと知り、全人類ゴースト化計画をもくろんだ。

 塔内部で、アランとアルゴスの会話。ゴーストであることを素晴らしいと思うアルゴスに対して、人間であることの素晴らしさを説くアラン。しかし兄弟は相容れず。そこへダーウィンアイコンを持ってマコトが現れる。渡そうとするがアランに止められる。

 先に塔に辿り着いた大悟がカノンを救出。声で父と理解する。

 アルゴスのところへ辿り着いた大悟は、ダークゴーストと対決。互いにオメガドライブを放つが、ゼロスペクターは敗れる。大悟が眼魂島で眼魔と戦っていたこと、巻き込みたくないと2人のもとを去ったを知り、和解する親子。ここでの沢村一樹さんの演技は見所。トウサン魂みたいに、マコトもゼロスペクターアイコンで変身してくれないかな。

 塔へ向かうタケル達の前にダークネクロムBが登場。戦おうとすると、エグゼイドが乱入。エグゼイドの演出は某配管工のゲームを彷彿とさせる。空間中に散らばったメダルを吸収しながら戦う。対戦ゲームのVS画面とか、攻撃が当たったときのHit演出とか、ゲームっぽさが前面に押し出されている。必殺技発動時、ガシャットを抜いて息を吹きかけるのに、ゲーマーを感じた。こういう描写結構好き。

 塔へたどり着いたタケル達と対峙するダークゴーストとダークネクロム。3人同時変身は闘魂、ディープ、ネクロム。英雄として戦っていた武蔵と卑弥呼がパーカーゴーストへと変化しゴーストチェンジ。そのためアイコンを変える描写はなし。アイコンにして従わせている感のあったダークゴースト陣営に相対するいい表現だと思った。ダーウィンアイコンも力を貸してくれるのだが、タケルとダーウィンの絡みは全くなかったので違和感しかなかった。闘魂素体にダーウィンゴーストを纏った姿は闘魂ダーウィン魂。ガンバライジングでオレ素体にダーウィンゴーストを纏ってダーウィン魂と言っていたのは間違っていないことになった。闘魂ダーウィンはなんと粒子化できる。進化論って何だ…?英雄に対する超解釈は続く。

 結局100のアイコンはダークゴーストの手に。アイコンの器はなんとタケルの体。一体どこから持ってきたんだ。もしかして仙人が体を眼魂島に隠していたのか(安全な場所のつもりで)。アイコンとタケルの体で究極の眼魂が完成。アルゴス仮面ライダーエクストリーマーへと変身。エクストリームな夢を見るなら半端じゃダメさ(関係ない)。オレが止める、とタケルは立ち向かおうとするが、エクストリーマーを倒す、究極の眼魂を壊すということはタケルの体を消滅させるということ。思わずタケルを引き止めようとするアカリから、痛々しいまでの思いが伝わる。ところで、タケルやアカリ達生身の人間が先に辿り着いて、ディープスペクターやネクロムが後から辿り着くのは何なんだ。足遅過ぎか。

 ムゲン魂へ変身。カメラはタケルの周りをぐるぐる。ムゲンアイコンはいつも真っ直ぐ持っているけれど、今回は斜めに構えていてなんだか新鮮。個人的にはこっちの方が好き。ムゲン対エクストリーマーの空中戦。しかし歯が立たず。エクストリーマーはパーカーを着直して、眼魂島を地球に近づける。するとアカリ達までもがゴーストへと変化し始めてしまう。ゴーストであるタケルに対し、理解を求めようとするアルゴスだが、タケルは一蹴する。ゴーストじゃごはんが食べられない、ごはんが食べたい、と。なんというか、拍子抜けするのだけど、タケルらしくていいと思った。タケルは既にエクストリーマーを倒す覚悟を決めていて、みんながごはんを食べられないようになるのは嫌だ、自分はアカリとの約束を守れないかもしれないけど、みんなにはごはんを食べられるからで居てほしい、と自分の思いを託そう(繋ごう)としているのに、本編で今までやってきた英雄の心を繋ぐ、を感じた。仮面ライダーゴーストだからこその展開かな、と。エクストリーマーに使われている100のアイコンの英雄達も感化されて意識を取り戻し、エクストリーマーの動きを封じる。

 ゴースト状態になったことで、なんとアカリ達がタケルと一体化。ムゲンの翼を得て、ゴットオメガドライブ。エクストリーマーを倒すと、眼魂島は離れていき、アカリ達も実体を取り戻す。キャプテンゴーストで地球に帰ろうとするが、タケルは体を失ったことで消滅を始める。ここでもアカリの演技が非常に良い。こういうのを見てると、本編ではちゃんと生き返ってほしいな、と思う。

 1週間後、まさかの灯篭流し。お祭りのシーンでモロタコと題したたこ焼きやの店主として諸田監督がゲスト出演。眼魂島が失われたことで行き場のなくなった英雄の魂だが、ダーウィンの力でその魂を束ね、タケルの魂を復活させる。だから、ダーウィンを何だと思ってるんだ。タケルとアカリが再会しておしまい。最後の2人の表情が非常に良く、その印象だけでいい作品だった、と思えてしまえるほど。

 エンドロール後は恒例のMOVIE大戦告知。今年は頼むぞ、本当に。

 

 いろいろ勿体ない部分が多いなと思いつつも、非常にゴーストらしい映画だった。公開前のいろいろな疑問、例えば2人のゴーストは戦う運命とかアルゴスにゴーストドライバーを与えた理由とか、がしっかり解決したのは意外だった。設定の面で特に破綻はなく、それどころか本編の謎まで拾ってしまうというおまけ付きだったので、結構満足している。こんな感じで毎年ちゃんと設定合わせてくれれば文句無いんだけど、いろいろ難しい部分もあるのだろう。

 何にせよゴーストの集大成としては十分すぎる出来だった。このままの勢いで本編も突っ走ってくれればと思う。