もう2週間以上前のことになる。彼女たちの『実家』、と呼ばれる場所に向かったのは、これが初めてのことだ。これまで参加してきたTrySailのイベントは、「Music Rainbow 03」「TrySailのチョコっとVoyage ~アマイセイル~」のそれぞれ昼公演のみ。随分と中途半端な時期からの参加だが、その理由についてはまたいずれ。
AmaySailのときのアンケート用紙に『今後やってほしいこと』という欄があった。一度もLiveと銘打ったイベントには参加できなかったことから、『3rd Live をやってほしい』と書いた。その願いは、数時間で叶うこととなった。AmaySailでの3rd Live開催発表である。
丁度、15個の眼魂(*1)を集め終わったタイミングだったので、眼魂の力はここで使ったのだな、などと思ったりしていた。
両公演行く、それ以外の選択肢は無かった。しかしながら、同時に不安もあった。今までに参加してきたイベントで感じてきた不安だ。コールやらサイリウムの振り方やら、1年近くの間にでき上がっているものがたくさんある。それを知らずしていいのだろうか、と。結局その不安は、どこかで見た言葉によって消えることとなる。「周りにあわせようと気負う必要は無い。サイリウムを振るのに必死になって演者が見えなければ、元も子もない。」というものだ。この言葉で、私は考えるのをやめた。フィーリングで勝負だ。めもちょ的に言うなら、「Don't think feel.」である。
随分書いた気がしたが、ここまで前置きである。
さて、Liveの感想を書く前に、一つ触れておきたいことがある。"Smooth Sailing"というタイトルだ。訳すと、順風満帆になる。…覚えているだろうか、AmaySail昼公演での一幕を。そう、『じゅんぷうまんぱん』の漢字書き取りである。もちょと天ちゃんの2人が正解する中、ナンスはなんと書いたか。『順風満麦』である。パンから麦を連想したと記憶している。あのコーナーは、今思えば3rd Liveの前触れだったのだろう。そんな順風満帆がタイトルになって、ナンスはどう思っているのだろう、という疑念がずっと浮かんだままだ。
ここからがメインの話。席の位置は右端。前8列が舞台で潰れているおかげで、チケットに書いてある位置よりも近かった。今までのイベントはまず1階ですら無かったので、その近さを噛み締めていた。
TrySail 30分劇場「逆風探偵」
見終わっての感想は、あかん… というものだった。何がかと言うと、パロディした作品の多さが、である。何故だか無性に権利元とか大丈夫かな、と心配してしまうのだ。
古畑にはじまり、逆転や名探偵やミルキィと、一体どの層を想定した脚本なんだろうか、と疑問に思っていた。だいたい分かってしまった自分は想定される層なのかもしれない。
内容は正直もう覚えていないのだが、自分がほとんど笑っていたことは覚えている。と思って、終演後に書いたメモを見直すと、結構面白い話だったな、と。簡単な推理ものになっているおかげで、見るだけじゃなく、考えることもできる作品だった。分かりやすかったけども。
航海の軌跡
3人が捌けて、ディスプレイに映し出されたのは、歴代シングルの表題曲メドレー。MVとライブ映像を織り交ぜ、メンバー紹介も兼ねている。それぞれがアップで映ったときに、会場のサイリウムがそのメンバーのカラーで染まるのはさすがだなと。
ハイスピが終わって、映像は終わる。ここまで流れたのは表題曲。リリース順なのだからつまり、次に流れる曲はもちろんアルバムの…
1曲目:ひかるカケラ
聴こえてきた3人の声に、予感が的中したことを知る。「こんなに広い世界で君を見つけたよ」という出だしは、ライブレポートを書いてらっしゃる方が皆触れているので、改めて触れる必要も無いかもしれないが、やはり強いメッセージ性を感じずにはいられないのだ。3人それぞれがお互いに向けて言い合っているとも取れ、我々ファンが3人に向けて言うことのできる言葉でもあり。たった1フレーズが、ここまでの想像をもたらすのだ。きっと別の意味を捕らえてらっしゃる方もいると思うので、ライブレポート巡りをお勧めする。
舞台装置の、帆に見立てた布が開いて3人が登場する演出もとても良い。ステージ全景は見渡せなかったが、見た人曰く、船になっていたらしい。下段は甲板だったとか。
2曲目:sewing dream
ソーイング、縫い物をすること。Oh oh ohの力強いコールに、ライブの成功を予感する。何かを縫う動作をしていたことが後にトラハモで発覚。自分は全く気付いていなかった。
もともとバラバラだった3人という反物を繋ぐ糸が、トラハモやTrySailという存在なのかな、と思っていた。願わくば、その糸が切れぬように。
MC
アルバムを引っさげて実家に戻ってきた。みたいな話をしていたと思う(うろ覚え)。からあげクンが置いてあるんですよ、ってのもここかな…?
次のパートはお客さんが大変かも、と言っていた記憶。
3曲目:whiz
3rd Single表題曲。自分からすると、初めて発売日に買ったTrySailのCDなので、思い入れがあったり。度々自転車の話題が出るけど、真実は一つじゃなくて闇の中、ということにしておこう。
「わーからなーいー」とか振り付けとかがかわいくて、リズムも気持ちいい、聴いていて楽しくなる曲。
4曲目:コバルト
クラクラの主題歌。まだこの頃はTrySailを応援してはいなかった。なのに、録画したクラクラにはCMが残っている謎。面白いアニメだったと思っています。特に終盤の怒濤の展開は盛り上がる。
「コバルトに染まれ!」の振りが好き。真似したくなりますね。リスアニライブの放送は確かコバルトが使われてて、かっこいいなあと思っていた覚えがあります。ところで、「仲間と見る夢」って素敵じゃありませんか。
5曲目:High Free Spirits
ハイスピ。コバルトが比較的激しめで、次は静かな曲かと思ったらこれ。お客さんが大変、の意味をここで理解する。でも、3人も大変だよね。
毎週聴いてるからなのか、体が自然と動いていた。ライブになるとここまで盛り上がるんだな、って。まさに衝動を響かせている感じで、それに共鳴して心が楽しくなって、それが連鎖して会場全体が盛り上がる。まさに、仲間がいれば楽しさは無限に広がるという感じ。
MC
ソロ準備でもちょが捌ける。
盛り上がったね、なんてことを言っていたかな。あとはナンスがドヤ顔に慣れてきた話。やりたがらないんだけど、周りに求められてやるのは、ドルフィンや横須賀に通ずるものがある。
もちょが出てきて天ちゃんとナンスが捌ける。ロミオとジュリエットみたいなことをしていた覚えがある。
からあげクンを食べるタイミングが見つからないとか、そんな感じの話。毎度のことながら、美味しいものを食べてしまったあとらしい。
6曲目:桃色片想い(もちょソロ)
2002年の曲。多分聞いたことあるだろうけど覚えてなかった。
桃つながりでの選曲だったと思うんだけど、まるで自分の曲であるかのように歌っていて、曲に対する思い入れを感じた。
MC
ナンスの一人喋り。自分から勘違い話をしていた。覚醒遺伝とか。分数が苦手とか。曲名に分数が入ってるけどこれは分かる。100円の1/2は50円、1円の1/2は0.5円。という話。
7曲目:1/2(ナンスソロ)
1997年の曲。さすがに聞いた事無かった。世代がバレそう。
改めて聴いたら可愛い曲だと思ったそう。「あいしてるー!」は確かに可愛い。
MC
ナンス可愛かった、と出てきたのは天ちゃん。ソロの最後を任されたのには理由が。
1st Album「Various BLUE」の発売を発表。正直予想外な発表だった。TrySailとしての活動が多忙そうなので、ソロはしばらくお預けかなと思っていた。そしてもう一つ、1st Live「Various "SKY"」の開催。嘘だろ、というのが感想。大阪が1公演目だったので、これはもう、覚悟を決めるしか無いかなと。この辺りの話は別記事で。長くなるので。
8曲目:Skyreach(天ちゃんソロ)
まさかこれが聴けるとは!アカメが斬る!を見ていて、OP良いな、と思っていた。この頃はまだちゃんと雨宮天という人を認識していない。ただなんとなく、良いなと思っていた。
CD版に比べて歌声がとても力強く、それだけでこれまでの活動の苦労を感じてしまい、心が揺さぶられた。ここまでの進化を遂げた裏には、たくさんの出来事があったのだろう、そしてこれからも、進化は続くのだろう。その一端がアルバムでありライブなのかな。
MC
スカートを掴んで左右に振る部分の話。2人がやってたのが可愛かった。
次はハモりのコーナー。今回のライブに相応しいものということで歌ったのは。
9曲目:夏を待つセイル(帆)のように
相応しい、というのは30分劇場からの繋がりのようで。コナンはそこまで知らなくて、やはりこの曲も知らなかった。
タイトルからして相応しいとも言えるかも。6月、夏になろうかという時期に、TrySailが歌う歌。そのシチュエーションにぴったり。サビのハモりがとても綺麗でした。
MC
次もアルバムから、ということで流れ出したのは、聞き覚えの無いイントロ。
10曲目:パーリー☆パーティ
ライブ特有の専用イントロから流れてきたのはこの曲。CD版のイントロに差し掛かったときの盛り上がりはすごかったなあ。
jumpin' jumpin' here we goもコールするんだな、って思った。貢献曲に比べたら静かかな、という風に思っていたのだけど、ライブになると騒がしかった。中身の分からないおもちゃ箱を開けるとき、周りにいる人数で盛り上がりが違うのに似ている。コールが楽しくて、もう夢中だった。マカロンドラゴンの演技も、まるでドラゴンが居るかのように感じられるものだった。
11曲目:あかね色
もちょが苦手だというバラード。でも、ライブでみんなに見られてるのに歌えるんだから、自信を持ってもいいんじゃないかって思う。それとも、ライブだから違うのか。もしそうなら、なんか、嬉しいなって。
一歩も動かずに、同じ場所で歌に思いを込めることに専念している姿が印象的。天ちゃんに近い側だったのだけど、歌詞にあわせて表情が変わっているのがよく見えた。動き回っているとこういうところまでしっかり捉えられないんですよね。動体視力を鍛えようかな。
MC
あかね色に染まった会場がきれいだった、という話。いつだかのトラハモで曲毎にサイリウムの色が変わると良い、なんて話していて、この曲はまさにといった感じ。曲と色のイメージってなかなか結びつかないんだけど、結構そういうことを考えている人って多いのかな。
ライブ恒例だというウェーブのコーナー。Smooth Sailingなので静かな波。3人が綺麗と言っていて、向こう側の景色が見たくなった。一体どんな波に映ったのだろう。
12曲目:明日も晴れる
明日も晴れる、だから今日は晴れている。ただし、昨日はチクッと痛い。
サビの最後で手を振るのが印象的。どういう意図があるんだろう。昨日へのさよならなのか、明日の自分への贈り物なのか。
la la laっていうのも好き。合唱したら楽しいだろうなあ。
13曲目:primary
ここまでこの曲が来なくて、今回は歌わないかと思ってしまっていた。Sail Canvasで一番好きな曲。ノリの良さとか、横文字だらけとか。楽しそうにはしゃぐ3人のイメージで、聴いてるこっちも楽しくなる。自分らしく越えていく。
レッドゾーンって侵略しそうですよね。
ハグはとても良いものでした。
14曲目:Baby My Step
ベイビーの長はなりを潜めています。それだけ浸透したということですかね。この曲が流れてくるだけでコールを叫びたくなります。Oh マイラ"ヴ"なのがお気に入り。こういう表記って、なんていうか、いいですよね。
サビ前Oh マイラヴが順番に巡っているわけですが、この順番には何か意味があるのかな。
MC
次で最後、えー、の流れ。この声が大きさが、ファンが感じた楽しい気持ちを象徴していると思います。私も思いっきり叫びました。
15曲目:Youthful Dreamer
アンコール前ラスト曲って、表ラスボスみたいな立ち位置。電波教師は見ていないので、いつか見ようと思います。いつか。
歌詞がとても個性的で、例えばレジェンドレアとか、耳に残るんです。1st Singleの1曲目なので、覚えやすい歌詞っていうのを意識してるのかな。
つまづく演技とか、レベル上げてとか、三角形作るのとか、振りにも見所がたくさん。たまにアニサマの映像を見返してます。
アンコール
結構早いタイミングでファンがアンコールし始めて。最高のステージを、もう少しだけ、楽しみたい。
16曲目:僕らのシンフォニー
ここに入れて来るか、とびっくりしました。特徴的なイントロで、とても好きです。
3人それぞれがそれぞれに向けたメッセージみたいな歌詞みたいだけど、ナンスメイン想定曲なのだとか。
「広い広い世界で出会えた奇跡は運命」って「こんなに広い世界で君を見つけたよ」に似てる。この歌詞を噛み締めて思うことは、TrySailを知ることができて良かったな、ということ。だって楽しいもの。
MC
3人それぞれが感想を述べ合う。楽しかった、という思いが伝わってきました。
17曲目:Sail Out
TrySail号、出航す。
3人が集まる前の物語のような歌詞だと、自分では思っているのだけど、同時にこれからの未来に向けた歌詞でもあって。決意に満ちた声に力強さを感じるのだけど、ライブの終わりでもあるから少し寂しい気分にもなって。だというのに、終わってみれば次のライブが楽しみだなという気持ちにさせてくれる。そんな不思議な歌。
ありがとうございました。という声とともに、帆に包まれていく3人を見送って、この日の航海は終了。とても満足感のある、そんなライブでした。
2週間後がとても楽しみに感じていました。今度はどんな航海になるんだろう。Headwindだけど、どんなことが起こるかな、なんて。
おわりに
読み直して、文体が変わっていたけどそのままにしておきます。途中から感情のままに書いてるんだけど、それもまたいいかなって。
ここまで読んでくださり、ありがとうございます。
最後に、最高のライブを作ってくれたTrySailのお三方、スタッフに感謝します。